最近マクドナルドの赤字転落のニュースをよく目にします。
外食最大手とも言えるマクドナルドが売上低迷の要因は何でしょうか。つい5年前までくらいは割と好調だった気がします。原因は根本的なとこにあるはずです。特定の層とかではなくて万人の足が遠のいているような気がするんです。
1990年代のマクドナルド
- 1994年 バリューセット開始
- 1996年 ハンバーガー80円に値下げ
1990年代はてりやきマックバーガーをはじめとして、月見バーガー等の定番の人気が確立した時期です。
またハンバーガーやセットを値下げをしたことで学生もマクドナルドに足を運ぶようになり、いつも混雑していた印象があります。
安いことは正義であり、消費者にも受け入れられており、吉野家等の牛丼チェーンとも比較されて、デフレの勝ち組と呼ばれていました。
2008年までのマクドナルド
- 2000年 ハンバーガー65円に値下げ
- 2004年 作り置き廃止
- 2006年 100円マック拡充 8種類に
- 2007年 メガマック発売
- 2008年 クォーターパウンダー発売
上記内容は主に消費者の反応も好意的だった記憶があります。
うまく世の中の流れに乗っており、じわじわと高価格化してましたが、100円マックがあることによってバランスを取っていました。
問題はここからです。
2008年以降のマクドナルド
- 2008年 サクラ行列問題
- 2012年 メニュー廃止
- 2013年 60秒キャンペーン
100円マックの大幅削減 - 2014年 チキンマックナゲット品質問題
2013年には当時の原田社長が『「100円マックがなくなった」と報道されたことが売上に悪影響を及ぼしている』という屁理屈をこねています。
この発言こそマックの情報戦略の無さを端的に表していると思います。事実はどうであれ、与えた印象が全てです。単価上昇のために100円マックのメニューを削っていたことは事実であり、それがユーザーフレンドリーではない露骨な単価上昇戦略として捉えられたのです。
メニューの撤廃についても純粋に効率を考えれば、理にかなっています。しかしユーザーフレンドリーな対策とは思えません。
実際にメニューがなくて困った人 はそんなにいなくても、ネットで「メニューを置かなくなったこと」を知って嫌な思いをした人が多ければ意味がないのです。
完全に情報化社会をなめてますね。
60秒キャンペーンでも、ぐちゃぐちゃの商品がアップされることで、嫌なイメージを持った人が少なくないと思います。
実際にぐちゃぐちゃな商品を受け取った人は少数で、まともな商品を受け取った人が大多数だとしても、ネットではぐちゃぐちゃな商品の写真が当然拡散されます。まともな商品を受け取った人は別にアップなんてしませんから。
またもネットを見て嫌なイメージを受けた人が増えてます。
そしてチキンマックナゲットの品質問題。これは特に触れるまでもなく誰もが知っている問題であり、売上を低迷させた第一要因です。品質管理体制の信頼が失墜したので、赤字転落も当然です。
しかもその後のマックナゲットでの無料クーポンは良くなかった。安全性をアピールするにはまだ時期尚早です。せめて他のメニューにしていればましだったかもしれませんが。
これもネット上で拡散されます。
実際にクーポンを受け取った人はマックに行っているわけですから、それほどマックのことを嫌いではないはずです。
しかしその情報が品質問題で嫌な思いをした人に伝わると「あれだけの品質問題を起こしておきながら、すぐにマックナゲットを安全だと言って無料で配ろうとするなんて反省の色が見られない!」と思われます。
これでアンチマクドナルドの消費者が大量生産されたことになります。
マクドナルドさん、そろそろネットでの拡散の影響をちゃんと考えて戦略を立てませんか?